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人本化制度の設立にあたって、人本を扱う人間を決めなければならなかった。
最初は、古書収集で生計を営む『本の扱いのプロ』から選び出された。
しかしサービスの拡大により、人手が足りなくなってしまった。
そこで『古書収集家』という国家資格がつくられた。
その試験では、どれくらい古書の最適な扱いを心得え、管理方法を熟知しているのかが問われる。
無事その試験に合格した人物は、人本の扱いを最もよく知る者として国から認められ、資格を与えられる。
その資格を持っている人物に限り、国が管理する『人本サポートセンター』の職員となることができるのだ。
カスミはこのサポートセンターの職員として勤務している。
ちなみに、人本になるには、例外を除いて二つの条件がある。
まず、ニホン国民であること。そして、生きていることだ。亡くなった人は、人本化できない。
人本の言語は全てニホン語に変換されるので、母語が異なる外国の住人には推奨されていない。
また、故人が勝手に人本化され尊厳が侵害されることを防ぐため、原則として本人の同意を得ることを条件として人本化される。
そのため歴史上の人物や凶悪犯罪者は、その対象にはならない。
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