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* * *  翌日、カスミが事務所に出勤すると、佐藤の姿があった。 「佐藤くん、あのあと良く休めた?」 「はい、おかげですっかり元気です」  頬に、血の気が戻っている。  カスミは安心して胸を撫でおろした。  昨日、仕事を続けられないかもしれないと言われたとき、背筋に冷たいものが走ったのだ。  元気な佐藤を見て、カスミはようやく今日の業務について考え始めることができた。 「今日の仕事は新しい依頼者の調査票整理ですよね?」 「……ええ、そうよ。依頼者のお宅に伺ってヒアリングした内容を、上層部へ提出するために調査票にまとめるのよ」  そのとき、突然カスミのスマホが鳴った。 「あれ、こんなときに誰だろう?」  知らない番号だったが、嫌な予感がしてカスミは出てみることにした。 総合病院からだった。 「――え、事故?」  リョウコが交通事故にあったそうだ。意識不明の重体で、病院に搬送されたと連絡があった。  今朝、リョウコは有給を取ったと言っていたので、どこかへ遊びに行く途中、事故に遭ってしまったのだろう。 「ごめん佐藤くん。調査票の作成、お願いしてもいい?」 「……何かあったんですか?」  様子がおかしいカスミを気遣うように、佐藤は尋ねた。 「シェアハウスしてる友だちが、事故に遭ったって連絡があったの」 「それじゃあ早く病院へ! 車は俺が出します」    そう言われるがまま車に乗ったカスミは、佐藤の運転する車に乗って総合病院へ向かった。
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