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 気がつけば灰皿を手に取っていた。ガラス製の大きな灰皿。吸殻が床に散乱し、灰皿の側面にはどす黒くねっとりとしたなにかがこびりついている。  ソファの背もたれの上で、由里子がぐったりとくの字に折れ曲がり、それはさながら山のようであった。
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