第2章

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 自分の宿に戻りながら、1つだけ仮説が浮かぶ。由菜ちゃんの父親は何かを知っているのかもしれない。根拠もないただの仮説が頭を過ぎりかぶりを振った。  自室にいると扉がノックされ開けると華宵兄弟がいた。2人とも報告をし合おうとしているのだろう。 「中入っていいよ」  3人で集まりそれぞれが座る。何かを言おうとした雷香を冬香が制した。盗聴でもされていると懸念したのだろうか。  筆談をしても良いが時間が掛かるしメモとして残ってしまうのだから、話そうが筆談しようが意味が無い。ならば、魔力を使えばいい。微量の魔力を流し冬香と雷香が私に魔力を流す。そうすると、3人を繋ぐ魔力の輪が作られる。 〈琉凪ちゃん、そっちはどうだった?〉 〈仮説でしかないけど、父親は何かを知っているかも〉 〈僕たちの方も父親だけ不振な行動があった〉 〈何かがあることは確かなのかもしれないね〉  ここからどう動くのか話を進めそれぞれの部屋へと戻った。
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