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2. 再会と子猫
放課後になり、学校の自転車置き場でヤマ缶の中身を出した。
昼休みに入力した問いの答えがちゃんと表示されていてホッとする。
「市役所通りの……中学の近くか」
指定されたのは、近所の河原だった。
川幅は5mほど。河川敷はあってもさほど広くはない。桜の時期でもないし、特別なものはないはずだ。
どうせなら、初めての場所とかお店に行きたかったな。
まあ何もなかったら、夕日でも撮って投稿しよう。
気を取り直して自転車のカゴに鞄を放りこみ、ペダルを踏み出す。
9月も終わりに近づき、やっと涼しく感じるようになった風をきってかける。
河原に近づくにつれふくらむ期待が、私を急き立てた。
*
川に着いて、橋から近い河川敷に自転車をとめた。
対岸には母校の中学校が見える。
このあたりはつい2年前まで通学路として毎日通っていたからよく知っている。
ほかにも美術の写生や、国語で詩を書く授業なんかで散歩したな。
コスモスの群生に、その周囲を旋回するトンボたち。川底の石にぶつかってチャプチャプとにぎやかな水音。
高校は反対方向だから最近は来ていなかったけど、見覚えのある景色に思いのほか癒される。
さーて、何か面白そうなものはあるかな。
橋の下にでも行こうかと振り向いたら、同年代の男の人が立っていた。
至近距離にびっくりしてかたまったら、相手はあ、と口も目も大きく開けてから「佐々木…… 歩実だよね?」と私を呼んだ。
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