2. 再会と子猫

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 えーと、どちらさま?  眉をしかめたのに、相手は微笑んだ。 「やっぱりそうだ。同じクラスだったの覚えてる? オレ舞野(まいの)」 「……あー! まいちゃんかあ!」 「うわなつい。久しぶりに呼ばれた。てか覚えてないのひどくね?」 「いやだって、え? 背、めちゃ伸びたね?」  舞野(まいの)友也(ともや)。中二の時に同じクラスだった。  舞野はクラスの男子のなかでーーもしかしたら学年で1番だったかもーー背が低かった。  女子平均身長の私より低く華奢で、ダボダボな制服が妙に似合う童顔なのも、ぜんぶ可愛いって感想につながった。    それがどうして。何がどう伸びたのか。  今はちょっと見上げるくらい背が高いし、体つきもガッチリしている。  声も低いし顔つきもしっかり男の人……これが成長期か。  人体の不思議だなぁって感心しちゃうよ。 「まあね。最近まで成長痛えぐかった」 「すごいねーもうまいちゃんって呼べないや」 「呼ばなくていいから」  ふはっとはじかれるみたいに声を出して、大きな口で笑うのは一緒だなんだ。  うん、サイズ感はちがっても、舞野の笑い方は変わらない。懐かしい。    ただ……どうせ再開するなら、バスケ部とかバレー部の人気者さんに会いたかったかな。SNS映えって意味でね。  内心で失礼なことを考えていたら「あのさ」と前置きして、舞野は脇に抱えていた小さめの段ボールを差し出した。
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