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そういえば、と思い出したことがある。
私が猫を飼ってること、舞野はよく覚えてたな。
猫話で盛り上がった覚えはないけど、まあココの下僕(猫に骨抜きにされた飼い主のこと)である私の猫バカは年中無休だし、どこかで一方的に語ったのかもしれない。
舞野自身も、もともと猫に興味があって、それで記憶に残っていたんじゃないかな。
しかも、可愛かったというポジティブな記憶が。
じゃなきゃ迷いつつも捨て猫を拾って、面倒がらずに病院まで大事に運ぶなんて、できないと思う。
本来なら責任は捨てた飼い主が負うべきで、舞野は巻き込まれただけだ。
なのに途中で投げ出さない。
こう考えていくと、舞野はかなり下僕の適正がありそうだ。
「舞野の家に行けるといいね」
眠っている子猫につぶやいたところで看護師さんから声がかかる。
ちょうど戻ってきた舞野と一緒に診察室へ急いだ。
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