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 二人の頭上で、車は逆さづりのように、二人を狙うようにゆらゆらと揺れる。  男たちは腰が抜けたのか、逃げようともせず震えながら頭上を見上げる。 「や、やめてくれ……」 「悪かった、俺が悪かった!」  意識をとりもどした金髪が仲間の目線に気が付いて上を見た。 「うあああ!」  金髪が叫ぶ。  直後、車が落ちた。  男たちが悲鳴を上げる。  三人すれすれで落ちた車は、ぐしゃりと正面が潰れる。  三人は恐怖で気絶した。  龍はにやりと笑って尊琉の姿に戻った。  萌々香は驚きすぎて声もない。  目の前で起きていることが現実とも思えなかった。  尊琉は萌々香を横抱きに抱いた。 「少し飛ぶぞ」  尊琉が宣言した直後、体が浮いた。  空を飛んでる!?  萌々香は思わず尊琉にしがみついた。
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