序章 神の放物線 10

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序章 神の放物線 10

   3  (じょ)生徒(せいと)不可解(ふかかい)事故死(じこし)から一週間。  (しゅう)()けの月曜日は、十一月初めとは思えない陽気(ようき)だった。  昼休みともなると、窓際(まどぎわ)の席は、暖かいを通り越して、暑い。  ()()(きょう)(すけ)は学ランを脱ぎ、黒板(こくばん)の上の時計を見た。    一時十八分。  五時間目の授業開始まで、まだ十分(じゅっぷん)少々(しょうしょう)ある。  矢儀は机の上に視線を落とし、思わず北ソ《ほくそ》()む。
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