序章 神の放物線 20

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序章 神の放物線 20

 (あや)うく、大切な地図が()けそうになる。  上から地図を押さえつける手は、退()気配(けはい)がない。 (こいつ、絶対、わかってやっちょる)    さすがの矢儀も頭にきた。  文句(もんく)(ひと)つも言ってやろうと、顔を上げる。が、()()が口を開く(すき)もない。    藤津(ふじつ)は、再び身を乗り出し、一気(いっき)(まく)し立てた。 「先週の火曜日の五限目は、体育の授業がちょっと早めに切り上がったやろ。(つぎ)が、(つき)(いち)大掃除(おおそうじ)だからって」  いきなりは思い出せず、矢儀は言葉に()まる。
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