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序章 神の放物線 22
「それに、おかしいやろ。どうして、二階の廊下を歩いちょったんよ?
保健室は中央棟の一階の端っこ、三年生の教室は北棟――つまり教室棟の三階だ。
二年生の教室が並ぶ二階の廊下を、岡屋多恵が歩いていた理由がわからない」
「そりゃあ、躁鬱病で病んじょったんじゃろ?
それなら、教室に帰る途中、二階と三階を間違えるとか、多少の挙動不審も、ありなんじゃねぇの?」
矢儀は面倒になって、適当に答えた。
仁保中の校舎は、大きく分けて三棟。
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