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序章 神の放物線 30
窓の外に目を遣り「それにしても、なんで飛び移れるなんて思ったんじゃろ」と、嘯く。
矢儀は諦めて、藤津の視線の先を追った。
二年一組の教室からは、中央棟の屋上テラスを、同じ高さで見渡せる。
昼休みも残り十分を切ったのに、屋上にいる生徒はまだまだ多い。
矢儀は窓際に体を寄せ、半分ほど開いた窓から下を覗いた。
建物に沿って、等間隔で植えられたツツジの木。
真下のツツジの辺りだけが、百合や菊、カーネーションなどの、淡い色で賑わしい。
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