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序章 神の放物線 35
「高低差については、俺も考えた」
天井を見上げながら、藤津は続けた。
「実際、上の階からも見てみたけど――」
「何? おまえ、三年の教室にズカズカと上がり込んだん?」
地図を折りたたんでいた矢儀は、ぎょっとして、思わず言葉の先を折る。
藤津は不愉快そうに、顔を歪めた。
「人聞きの悪い。会長に同行しただけっちゃ」
同行させたの間違いじゃろと思ったが、口には出さなかった。藤津の機嫌を損ねると、後が面倒だ。
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