序章 神の放物線 43

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序章 神の放物線 43

 「相変(あいか)わらず……変わっちょるの」  ()()った顔に、覇気(はき)がない。  いつもなら、(かた)(ほお)を吊り上げて、フンと笑うのに。  藤津(ふじつ)同感(どうかん)だったか。 「(ごう)(けん)は〝はじかれ(もの)(あつ)まり()〟じゃしの」  と、覇気のない左内(さない)揶揄(からか)う。いや、追い打ちをかける。    場の空気が、一瞬で(こお)りついた。  左内(さない)の顔から、表情(ひょうじょう)()える。  ()()は、前の席の藤津(ふじつ)(にら)んだ。
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