序章 神の放物線 47

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序章 神の放物線 47

 忘れ物の多い兼行(かねゆき)は、同じ学年、同じ(きょう)研部(けんぶ)のよしみで、(なに)かと()()に物を借りに来る。 「いや、明日の部活(ぶかつ)のことで。まだ、課題(かだい)を決めちょらんかったじゃろ」  意外(いがい)にも、兼行(かねゆき)は次の課題を提案(ていあん)してきた。 「面白(おもしろ)い石段があるんちゃ――未遠(みとお)に」  兼行(かねゆき)が、自分から調査(ちょうさ)したい場所を()げてくるなど、入部(にゅうぶ)以来(いらい)では初めての出来事(できごと)だ。  それも、未遠(みとお)の石段とはまた――。  ()()(おどろ)きと不安(ふあん)(むね)に、どう面白(おもしろ)いのかを()いてみた。
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