序章 神の放物線 48
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序章 神の放物線 48
兼行
(
かねゆき
)
はなぜか、ちらりと、
突
(
つ
)
っ
立
(
た
)
った
左内
(
さない
)
を見る。 まるでお前は
席
(
せき
)
を
外
(
はず
)
せとばかりに。
左内
(
さない
)
も
一瞬
(
いっしゅん
)
、
兼行
(
かねゆき
)
と目を合わせたが、すぐに視線を
逸
(
そ
)
らした。 前の
席
(
せき
)
でふんぞり
返
(
かえ
)
る
藤津
(
ふじつ
)
は、
当然
(
とうぜん
)
、聞いていたただろう。
華奢
(
きゃしゃ
)
な
身体
(
からだ
)
を
捻
(
ひね
)
り、
眼鏡
(
めがね
)
の
奥
(
おく
)
から
矢
(
や
)
儀
(
ぎ
)
に視線をくれる。
矢
(
や
)
儀
(
ぎ
)
は、
藤津
(
ふじつ
)
に背を向ける
形
(
かたち
)
で立ち上がった。 とりあえず、
佐内
(
さない
)
に話の
中断
(
ちゅうだん
)
の
詫
(
わ
)
びを
入
(
い
)
れ、
兼行
(
かねゆき
)
の
元
(
もと
)
に
歩
(
あゆ
)
み
寄
(
よ
)
る。
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