序章 神の放物線 51

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序章 神の放物線 51

 兼行(かねゆき)意気込(いきご)みを気味悪(きみわる)く思いながら、()()は何に(たた)られるのかを(たず)ねた。が、兼行(かねゆき)はぽかんとして、「さぁ?」と首を(かし)げる。 「いったい、(だれ)から聞いたん? 未遠(みとお)から来てるヤツ? 二組の未遠(みとお)小出身(しょうしゅっしん)って()うたら――」  ()()(あたま)に、男子二人と女子一人の顔が思い浮かんだ。  だが、兼行(かねゆき)は「(ちが)うって」と面倒臭(めんどうくさ)そうに否定(ひてい)した。  むっつりと、なぜか(きゅう)不機嫌(ふきげん)になる。  ()()根気(こんき)よく、続く言葉を待った。  ようやく「オトーサンから聞いた」と、()げやりな返答(へんとう)がある。
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