序章 神の放物線 8

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序章 神の放物線 8

 山口市の北の(はず)れの人口(じんこう)減少(げんしょう)は、なかなか深刻(しんこく)だった。    それゆえ山口では、仁保中でおこった転落(てんらく)事故(じこ)を聞いて、多くの者が不思議がった。  ニュースでは、起こったことをそのまま伝えても、受け取る側は〝裏の裏〟を読もうとする。  あんな田舎(いなか)でも、(いじ)めがあるのか。   事故(じこ)と言っているだけで、本当は自殺(じさつ)だったのでは?  仁保、未遠、園では、もうパニックだ。  保護者(ほごしゃ)説明会(せつめいかい)詳細(しょうさい)を聞いているのに、いろんな尾鰭(おひれ)がついて広まる。  そこへ(ひま)年寄(としよ)りが、さらに話をねじ()げる。
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