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バス停には男の人もいたが誰もが驚きすぎて身体が動かなかった。
私も小学校5年生くらいだったのでびっくりして「きゃー」と言ったまま固まってしまった。
すると横にいた母が、トートバッグを放り出してその若者の方へ走り出したのだ。
「えっ!うそ!?」
母は、その若者の足が自転車に絡んだままだったのを抜いてあげて、痙攣している身体を自分の正座した膝の上に抱きあげていた。
若者が落ち着くまでずっと抱きしめてあげて何か声を掛けていたようだった。
しばらくして誰かが救急車を呼んでくれたようでその若者は搬送されて行った。
ヨレヨレして母が私の所に戻って来た時には、膝から下のストッキングが伝線していてスカートも汚れてしまっていた。
いつも天然で抜けているところがある母のどこにこんなエネルギーがあったのかと驚いたのと同時に拍手したい気持ちになった。
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