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未来は先輩とラブラブ♪
そんな司の様子に純一はクスリとすると、
「君はそれを私に聞くのかい? それを言ったらきっと……君はある一部の生徒に嫌われてしまうかもよ」
純一はそう言いながら人差し指を立てて司に対してウィンクまでして来るのだ。
いや、しかしイケメン面の純一にそんな事をされたら、いくら女子好きの司でも目をパチクリとさせてしまう位だ。
そう純一という人間は本当に誰もが見惚れてしまう程のルックスの持ち主だ。 男子校というのは恋のターゲットというのは寧ろ男子しかいないという事だろう。
今の純一の一言で司は一つ分かったような気がする。 多分だが純一の事を狙っている男子生徒はいっぱいいるという事だ。
いきなり、この学校のルールというのか、これがこの学校での日常茶飯事な出来事なのであろう。
もしかしたら歓迎的な儀式なのかもしれない。
そしてこの学校に来て思ったのは、本当にこの先、前途多難な学校生活になるだろうという事だ。
既に色々な事が起きた一時間目が終わり、司はそこで大きく息を吐く。
純一からの歓迎的な洗礼を受けたと思ったのも束の間。 やはり転校生だからなのか、何人かの生徒が司の所へと集まって来るのだ。
「神田君って何処から来たの?」
そう一人の男子が司に聞いて来る。
司の性格上、話し掛けられるのは嫌いではない。 寧ろ好きな方なのだから。 だから司の方もノリ良く答える。
「ま、ちょっと遠くからな。 親がさ、転勤でこの辺に来たんだけど……」
「だったら、今度、東京案内して上げようかー?」
「あ、あー! なら、行く行くー! 東京に来たら、東京タワーに行ってみたかったし!」
「じゃ、決まりなっ!」
「おう!」
そんな話を男子生徒達と話をしていると、遠くの方から司の隣の席にいる未来の名前を呼ぶ声が聞こえて来る。 すると未来の方は普段から高い声を更に高くして、席を立って今呼び出して来た男子生徒の所まで走って行くのだ。
そして未来はその男性の所まで行くと首へと両腕を回し抱きついた所を司は目撃してしまい、それを呆然と見てしまっていた。
司からしてみたら男が男に抱き付く姿を見たのは初めての事で目を丸くしてまで見てしまったのは当然な事なのであろう。
「龍先輩、来てくれたんだー。 もー、超嬉しい!」
語尾にハートマークは付きそうな位の甘えたような声で言う未来。
「元気にしてたか?」
そうその龍と呼ばれていた男は未来の事を見つめるのだ。
司はさっき会話をしていた男子に未来とその龍の事について気になったのか聞いてみる。
龍と呼ばれている男は水谷龍。 本校の二年生であって当然未来とラブラブな事をしているのだから未来の恋人であるのであろう。
龍の方は何かスポーツをしているのか、ガタイも良く身長も普通の生徒よりは若干高めなのかもしれない。 そう未来が龍に抱き付きに行った際には龍の胸辺りの身長だったのだから。
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