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男子校のススメ
そして司の性格というのは、思った事をストレートに聞くタイプだ。 だからなのか今さっき司の周りに集まって来ていた人達にそれを聞くのだった。
「あ、あのさ、吉岡君って、男の恋人が居るの?」
司は、未来と龍のラブラブな姿に開いた口が閉まらないという表現がピッタリなのかもしれない。 本当にその二人の姿に口をポカンと開けたままだったのだから。
「当たり前じゃんかー、ここは男子校だぞ。 その辺に男同士のカップルなんてゴロゴロしてんだからなぁ」
「え? それ、本当!?」
そう当たり前な感じで言われても、司からしてみたら、まだまだそんな状況を受け入れる事が出来ないらしい。
「逆にお前もこの学校にいるんだからさー。 男の恋人を作ってみるのもいいのかもなー。 じゃねぇと、高校生活の半分は損するんじゃねぇの?」
そうそうその男子生徒は司の耳側で意味ありげな言葉を言うのだが、司からしてみたら女子の方がいいに決まっているのだから体中に寒気が走っているようだ。 一瞬体を身震いさせたのだから。
会話をしているうちに二度目のチャイムが鳴り響くと同時に今まで話をしていた生徒達は一斉に席へとつく。
その行動に驚いたのは司だ。 前の学校では授業が始まっても、まだチラホラと席に付かない生徒がいたもんなのだが、この学校の生徒というのはチャイムと同時に席へと着いたのだから。
特に前に行っていた学校なんかは女子の方が教師が教室に来るまで教室の後ろで話をしていたのを思い出す。
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