ねぇ?知ってる?

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ねぇ?知ってる?

 男子校が真面目な生徒が多いのか、それとも学校自体が真面目なのかは分からないのだが、司からしてみたら不思議な光景に見えているのかもしれない。  次の授業というのは一体なんの授業なのであろうか。 司は教室に貼ってある時間割表へと視線を向けるのだ。  どうやら次の授業は英語のようだ。  そして司はフッと隣りの席に居る未来の居る気配を感じ未来の方へと視線を向けると、いきなり未来の顔のドアップがあって、その瞬間、司は窓の方へと身を引かせてしまう。 「なーんで、そんなにビックリしたような顔してんのー? 僕の方はただ単に、司君にさぁ、教科書見せて上げようと思っただけなんだけどな」  そう満面な笑顔で言う未来。  どうしても司はこの未来の笑顔に弱い。  未来という人物は元から、そういった素質みたいなもんがあるのであろうか。 本当に男として見れないような顔をしている。 女子と思われてもおかしくはないような顔をしているという事だ。 「ね? 司君……気付いてた?」  未来は司に向かって、こう意味ありげに言って来るのだ。  流石にそこまで意味ありげに言われたら、鈍感そうな司でも気付かない訳がないだろう。  司の方は首を傾げ、 「へ? 何?」  そう司が聞くと、更に未来の方は笑顔を見せるのだ。 「気になる? 聞いてみたい?」  そう何度も聞いて来る未来に、今度は段々と何だか怪しい感じの雰囲気で、聞いてみたいような、聞いてはいけないような感じになってきてしまう位だ。  そんな雰囲気に司は何か感じたのか、 「あー、やっぱ、いいかな?」  そう司の方は素気なく答える。 「本当に!? 聞かなくてもいいんだねー? じゃ、言わなくてもいいやー」
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