俺からしてみたら学校内はダンジョンのようだー!

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俺からしてみたら学校内はダンジョンのようだー!

 神田司(かんだ つかさ)は敷地内にある寮を八時過ぎに出て、校舎までの渡り廊下を歩くと校舎へと入る。 そして今日は直接教室に向かうのではなく職員室の方へと足を向けるのだ。  確かに前に手続きに来た際に何度か、この学校に訪れて来ていたのだが、司は極度の方向音痴で、どうやら寮から職員室までの道のりを覚えてないようだ。 多分、方向音痴な司からしてみたら、RPGの主人公がダンジョンに迷い込んだような感じになっているのであろう。  しかも前に学校に来た際には正門から来たのだから余計に司は分からなくてなって、しまっているようだ。 「んー……確か職員室って、一階だって事は分かってるんだけどなぁ?」  そう独り言を呟きながら、司は辺りをキョロキョロと見渡しながら歩き続ける。  だが一向に職員室に辿り着ける気配等なく、挙句、人気が無さそうな校舎へと来てしまっていた。  多分、これだけ人気も無く薄暗いような場所に来てしまったという事は、生徒数が激減している昨今、前までは使用されていたのだけど今は使われてはいないという事だろう。  司はまだまだ好奇心の塊の高校生だ。 小さい頃に戻ったみたいに探検心が疼いたのか、探検がてら各教室を覗いてみていた。  するとその教室には蜘蛛の巣があったりして、机や椅子も積み上げられているような空き教室のようだ。 やはり生徒数が減って来ているのは間違いないのであろう。  司は探検心で各教室を覗いていたのだが、急に「つまらないなー」と独り言を呟き、その空き教室を出て行こうとした直後……隣の空き教室から大きな声と共に泣き声が聞こえて来た。
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