部屋交換……そして二人部屋へ

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部屋交換……そして二人部屋へ

「君の部屋ね。 二〇五号室の一人部屋から四〇二号室の二人部屋に移しておいたからね」 「へ? あ、そうなんですか?」  たった一日で部屋を移動させられ不満そうな声を上げる司。  だって、そうだろう。 やっと一人部屋でのんびりと寮生活を送れると思っていた矢先に、移動があるなんて思っていなかったことだからだ。 「いやね実は一人部屋に移動したいって人が居て、そっちに移動してもらったからね。 それに一人部屋より二人部屋の方が家賃が安いのだよ。 一人部屋に移りたいと言った子は何処か有名なとこの社長さんの息子さんだからねぇ。 神田君のような一般家庭のような子達には一人部屋に入ると大変お金が掛かるから、君にはやはり二人部屋の方がいいと思うよ」  そう笑顔で分かりやすく説明をする涼。 やはり、その説明に納得する司だ。 「そういうことなら、大丈夫ですよ。 俺は新しい部屋に行けばいいんですね?」  司はポケットに入れておいた寮の鍵を出すと新しい部屋の鍵を涼から受け取るのだ。 「あ! 二人部屋で一緒なのは神田君と同じクラスの吉岡未来君ですよ。 一応、吉岡君のとこが空いてたんでクラスメイトで良かったですね」 「本当ですかー!? ああ、良かった……」  きっと心の中では本当に安堵のため息が出ているであろう司。 もし移動した部屋が知らない先輩だったら気を使わなければならない所だったのだが、とりあえず吉岡未来だったら今日もう知り合いにもなったし、話もしているのだから気持ち的には気が楽な人で良かったという事だろう。  司は安心して笑顔で新しい部屋へと向かう。  寮は五階建てだ。 そして全寮制という事もあってか寮は一種のマンションみたいな建物でもある。  その建物が二棟あるのだ。  司の部屋は手前にある寮の四階。 きっと、こちら側の建物が二人部屋があるという事となのかもしれない。 そう昨日までは奥にある建物の方に居たのだから。  司は自分の部屋の前まで来ると新しい鍵をポケットから出す。  そして扉を開けると一人部屋の時よりか、気持ち的に広い感じだ。
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