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女の子みたいだけど、男子だよね?
司は自分の席で何度もため息を吐いていた。 きっと自分とは思ってなかった青春時代だからであろう。
そしてHRが終わった頃だっただろうか、それと同時に司の隣りの席の男子が机を繋げて来るのだ。 机を引きづる音で気付く司。
「へ? 何?」
「あ、はじめまして、司君は今日から授業受けるんでしょう? まだ、教科書とかって届いてないと思うから僕が教科書見せて上げるって事なんだけど」
そう物凄く女子みたいな可愛い声で言って来ているのだけど、本当によーく見るとやっぱり男子だ。
「僕の名前はねぇ、吉岡未来(よしおか みらい)。 みくじゃなくて、みらい! だからね! みんな僕の事、女っぽいからって、みーちゃんって呼んでるけどさ」
そう頰を膨らませてまで言う未来。
「あ、宜しく……」
司は笑顔で答えると未来の方も笑顔で答えるのだ。
しかし本当によーく見たら未来は男子なのだが、パッと見は女子に見える。 ってか、寧ろ下手な女子よりかは可愛いのかもしれない。
そう考えると、ちょっとは男子校も楽しいのかもしれない。
確かに女子という花というのは無いのだけど、異性がいない分、気が楽だ。 という事でだ。
そこは異性に変に意識しなくていいという事だろう。 そうそこは男子校なのだから、そこにいるのは男子しかいないのだから。 例え自分がアホな事をしても、そんなに冷たい視線を浴びないで済むという事なのだから。
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