イケメン教師

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イケメン教師

 司はいつの間にか、自分の担任である純一の事をボッーと見つめてしまっていた。  しかしみんなが黄色い声を上げる理由っていうのが今分かったような気がする。 だって身長も確実に生徒達より高い所を見ると百八十センチはあるだろう。 顔の方もアイドルって言われてもおかしくはない今時の爽やかイケメンのような感じだ。 そして甘くて低い声が更に聞いているみんなを魅了してしまいそうな感じでもある。  男の司でも見惚れてしまいそうな純一なのだから、これだけ男子生徒しかしない学校でも人気があるのであろう。 後は性格の方だ。 確かに見た目が良くても中身が悪かったら、きっとこんなに人気が無いのかもしれない。 もし暴言や暴力教師だったら生徒なんかは近付きやしないのだから、もっと人気がない教師だったのかもしれない。 そう考えると、きっと性格の方もいい教師なのであろう。  しかし世の中にはこんなにベストっていう位の人間がいるのだから、きっと世の女性達からはモテモテなのかもしれない。 逆に言えば男子校には勿体ないような教師と思う程だ。 寧ろ女子校にでも行って、毎日のように女子校生達に黄色い声を聞いていた方が男からしてみたら最高に決まっている。 だから純一は何でこの男子校にいるのかが不思議に思う所だ。  司は少し授業にも慣れて来たというのか、さっき紹介された時には緊張し過ぎてあまり周りを見ることが出来なかったのだが、やっと緊張も解れて来たのであろう。 自分の教室内をキョロキョロと見渡すのだ。  本当に見渡す限り男子しかいない。  確かに、ここは男子校なのだから分かっている事だけど、これだけ男子しかいないと逆に凄い気がする。 そして無意識に見てしまっていたのは他の男子の容姿だ。  人間って、きっと環境に応じて順応するという事だろう。 女子がいないんだったら男子でもいいと……いやいや、それは流石に違う。  急に何を思ったのか首を振り始める司。
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