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ぷりんはいたずらが見つかったみたいにくすくすとわらっているけれど、ぽぷりはと言えば、一大事だった。
ぷりんの前では、彼は、クールでひねくれ者で、とっても頭のいい男の子でいたかったのだ。そう、ほんとうは、ぽぷりはぷりんのことが好きだった。 だから、とってもうろたえて、うろたえたことはなんとしてでも隠しておきたくて、彼はこほんと咳払いをする。そして、こんな話をし始めた。
「……そういえば、黄色のトマトの童話を読んだことがあります」
すなおなぷりんは、すっかりだまされた様子で、まあ、ときらきら瞳を輝かせた。
「どんなお話?」
「や、 べつに、ぷりんさんの好きなような話じゃあないですよ」
「それでも、気になるわ。聞かせて」
「まあ……気になるなら 、仕方ないですね」
そう言って、ぽぷりは物語のあらすじを語って聞かせた。それはこんな話だった。
あるところに、ペムペルとネリという兄と妹がいた。ふたりはとってもかぁいらしい、いい子で、仲良しだった。
ある日、黄色いトマトを見たふたりは、それが黄金だとしんじてしまう。そして、サーカスを見る支払いに、黄色のトマトを差し出した……。
「すてき! それで、サーカスのひとはほほえましくて、中へ入れてくれるのね!」
「ちがいますよ。逆です。そのひとは、これはただのトマトじゃないか、ばかにするな……って、トマトをふたりに投げつけたんです。そして泣いて帰る話です。黄金だとしんじていられたらしあわせだったのに、とってもかぁいらしい、いい子だったのに、かあいそうに……って」
話し終えて、トマトをにらんでいたぽぷりは、ふととなりのぷりんを見た。見て、び っくりした。彼女は、かなしいお話にかなしくなってしまったみたいで、ふくふくした 桜色のほっぺたになみだをぽろぽろこぼしていたのだ。
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