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1、反吐が出る
中学生というのは、本当に中途半端な年齢だと代田伸子は思っていた。
入学した中学は、髪の毛がチリチリだったり、赤かったり、剃り込みが入っていたり特殊な髪型の男先輩ばかりで呆れた。
スケバンのスカートは足首まであって、ツッパリたちのカバンは、弁当も入らないだろう!と言いたくなるほどペッタンコ。ツッパリ男子はボンタンに短ラン。
先輩とか後輩とか、そういうのだけでリスペクトが成立する集団。日常的にイキっていて、まるで猿みたいだ。実際、周りを見回してもサルばかりだ。
これが、中学生の伸子の感想だ。
恰好は真面目な女子でもツッパリの先輩にキャーキャー言っている。
アレの何処がカッコいいのか分からない。
中学生になると女子は色気づく。
やっすいアクセサリーを雑誌の通販で共同購入して、校則違反の飾りが付いたピンを頭の微妙な所に挿している。
脳みそがあるとは思えない不良少年に熱を上げるバカ女たち。
釣り合っていると伸子は思った。
バカ女は見て直ぐ分かる。上目遣いにグーに握った手を顎の下にくっつける。
姑息な技だ。
走り方も手の振り方も幼児のように幼く見えるように計算している。
少ない脳みそを、そんな所で使用するから本なんか読むこともできない。
本を読むだけの脳の容量が足りなくなる。
どうして、こんな掃きだめの中学に通わなければならないのだろう。
理由はひとこと。校区だからだ。
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