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「買いかぶりすぎですよ。それで、もう一つの仕事は具体的にどうすることをお望みでしょう?
あらかじめ聞いていたものではこの屋敷の主人に復讐したいとのことでしたが、理由などお聞きしても?」
復讐したい動機を聞くと一気に顔が険しくなるメイド。なかなかのことがあったようだ。
「私、母がいたんです。と言っても、私が生まれたと同時に亡くなったのでどんな人だったのかは知りませんが…
それからは孤児院で育てられたんですが、あまりいい環境だったとは言いづらい場所でした。でも、今年で私も18歳の成人です。それで孤児院をでられることになって…!
そこで仕事を探し、雇ってもらえたのがこの屋敷のメイドとしてだったんです。
ここは奥様も奥様の娘であるシャロル様もとても優しく、同僚にも恵まれ幸せでした。あの男の本性を知るまでは…っ!」
「あの男の本性…?どんな男だったのですか?」
「あの男は、最低な野郎でした…!自分の体にあんな男の血が流れているなんて、信じられないし考えたくもない!
……すみません、取り乱しました。」
「いえ、お気になさらないでください。それより、あなたの体にあの男の血が流れてる、とは?」
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