あの日、あの時

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 「時々、この町に迷い込む人がいるんだ。キミのようにね」  「…迷い…込む?」  「周りを見てみなよ?誰もいないでしょ?それはこの「世界」が、まだ存在していないからなんだ」  言ってる意味がわからなかった。  第一、どうして猫が喋ってるのかも、うまく整理できていないままだった。  「…あの、キミは?」  「ボク?ボクはね、“案内人”だよ」  …どういう  町は静まり返っている。  誰かの足音も、川のせせらぎも、鳥の声ですら聞こえない。  だけど空は動いてた。  真っ青な、それでいて大きな雲が漂う空。  異様な光景には違いなかった。  今まで見たこともないような町並みに、現実とは思えないほどの静けさ。  何が起こってるのかわからなかった。  まるで、夢の中にでもいるかのような——
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