あの日、あの時

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 先日、ニュースがあった。  10年前に起きた、飛行機事故の特集だった。  羽田空港からアメリカ行きの国際便。  開催地のロサンゼルスへと行くために、全国の高校で選ばれた選りすぐりの球児たちが、U-18の選手団として空港を飛び立った日のことだった。  当時のことを、今でも鮮明に覚えてる。  最初にそのニュースを目にしたのは、目が覚めてすぐのことだった。  学校に行く前につけたテレビの先で、燃え盛る飛行機の機体があった。  ロサンゼルス国際空港からの中継だった。  どのチャンネルも、そのニュースばかりだった。  「もしもし、沙苗?」  ニュース画面に釘付けになっていると、スマホが急に鳴った。  クラスの友達からだった。  「ニュース見た…?」  「見てるけど?」  「あの飛行機、晴翔君が乗ってるん…だよね?」  最初、友達が何を言ってるのかわからなかった。  冴えない頭の中で、何が起こってるのかを整理しようとする。  だけど、理解できなかった。  すぐには。  “うまく聞き取れなかった”って言った方が、いいかもしれない。  電話越しで聞こえる声は震えてて、すごく慌ててた。  それがなんでなのかわからなかった。  テレビ画面に映る、「U-18 | 野球日本代表」の文字を見るまでは。  
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