2人が本棚に入れています
本棚に追加
「2024年ってことは…、10年後か」
「そうだ。今日変なこと聞いてきたんだよ?」
「変なこと??」
「卒業したら何がしたい?って」
「別に変なことじゃなくない?」
「へんなことだよ。まだ4月なのに」
「そうだけど…」
「アカリは何て答えたの?」
「…えーっと、なんだったっけ」
「まだ何も決まってないんでしょ?」
「そうそう!大学に行きたいなぁとは思ってるんだけどね」
「それは私も!」
「詩穂はいいよね。頭良いし」
「全然だよ。最近授業についていけてないし…」
「ハル君は?」
「俺?」
「卒業したあと。もう決めてるの?」
「そんなの決まってんだろ?プロ野球選手だよ」
「…よくそんなドヤ顔で言えるね」
「当たり前だろ。夢なんだからさ」
自信満々だった。
彼がすごいピッチャーだっていうのは、周りの人たちの声を聞けばなんとなくわかってた。
試合を見てても、すごい球を投げてるとは思ってた。
ずっと昔からの「夢」だって、彼は言ってた。
プロ野球選手になる。
まるで、子供みたいな顔をして。
最初のコメントを投稿しよう!