未来の記憶

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 「2024年ってことは…、10年後か」  「そうだ。今日変なこと聞いてきたんだよ?」  「変なこと??」  「卒業したら何がしたい?って」  「別に変なことじゃなくない?」  「へんなことだよ。まだ4月なのに」  「そうだけど…」  「アカリは何て答えたの?」  「…えーっと、なんだったっけ」  「まだ何も決まってないんでしょ?」  「そうそう!大学に行きたいなぁとは思ってるんだけどね」  「それは私も!」  「詩穂はいいよね。頭良いし」  「全然だよ。最近授業についていけてないし…」  「ハル君は?」  「俺?」  「卒業したあと。もう決めてるの?」  「そんなの決まってんだろ?プロ野球選手だよ」  「…よくそんなドヤ顔で言えるね」  「当たり前だろ。夢なんだからさ」  自信満々だった。  彼がすごいピッチャーだっていうのは、周りの人たちの声を聞けばなんとなくわかってた。  試合を見てても、すごい球を投げてるとは思ってた。  ずっと昔からの「夢」だって、彼は言ってた。  プロ野球選手になる。  まるで、子供みたいな顔をして。    
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