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クソオヤジ。人の話しもろくに聞かねぇで。
気がついたら公園にいた。いつもクロと走り回る公園。
向こうでたむろってるヤンキー集団がこっちをチラチラ見てきた。
睨み返してベンチに座るとそいつらが寄ってきた。
「ねー、金貸してくんねぇ?」
「は?」
「持ってんだろ?出せよ。」
「ねぇよ、金なんか。」
「あれ?おまえ、○○校の内野凌平じゃね?」
「だったら何だよ。」
「このあいだ、世話になったよな、うちのコータが。」
「コータ?知らねぇ。」
「赤い髪の、忘れたか?」
「あー、あのクソヤロウか。俺の親友に難癖着けてきやがって。俺に喧嘩吹っ掛けてきた」
「で、殴ってたって訳か。」
「先に殴ってきたのはアイツの方だ。
やられたからやり返しただけだ。
けどあいつ、見た目より全然だったな。」
「コイツ!ふざけやがって!押さえろ!」
相手は五人がかりで両側から掴まれ腹に蹴りを入れられた。
「オイ、こら!やめろ!」
後ろから親父の声がした。
「なんで来んだよ。クソオヤジ!」
ヒーローぶって登場したのまではよかった。
目の前で延びてる親父とその隣に寝そべる俺。
あっという間にボコされた親父と俺はこうして夜の公園で寝そべってる。
「ごめんな。凌平。父さんから話は聞いたよ。」
「なんだ、言っちゃったのかよ。おしゃべりジジィめ。て言うかすげぇな。なんだ親父、そのザマ。口の横、血が出てる。弱いくせに入ってくるからじゃん。」
「俺も昔はもう少し強かったんだ、これでも。」
「どうだか。」
「さ。もう帰るぞ。」
「ん…。」
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