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おかえり
じいちゃんは顔を見ると、なにも聞かずに俺たちを迎えた。
「おけーり。」
「ただいま。」
「飯、出来てるぞ。」
またいつものししゃもと糠漬けに、みそ汁だ。
「またししゃもかよ。」
「文句言うな。」
怪我をした俺たちにじいちゃんはいつものようにニカッと笑いかける。
俺はまたいつものように仏壇に手を合わせた。
「母ちゃんただいま…。」
写真にそう声をかけた。
今日は隣に親父もいる。
二人して怪我したみっともない顔で手を合わせる俺たちに、母ちゃんはいつもと変わらない笑顔でこっちを見てきた。
「おかえり…」
母ちゃんの声が聞こえた気がした。
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