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中川梨紗子とは小さい頃からの幼馴染みだ。母ちゃんと梨紗子の母ちゃんはパート先が同じだった。近所のスーパーのレジ打ち。
俺たちは同じ保育園、同じ小学校で中学校。そしてまさかの高校も一緒だった。
それと俺の親友の花村琉生。そいつも四年生からの腐れ縁。ルイは、学校一のイケメンで王子様みたいな奴だ。
それなのに頭もいい。俺がこの高校に受かったのも、実はそのルイのお陰だといっても過言ではない。アイツにだけは負けたくなかった俺はアイツに勝つためだけに勉強を頑張り、そしてこの高校にも受かった。
なぜか入学したらそこに梨紗子もいて。相変わらず俺たち三人は腐れ縁てわけだ。
このあいだの喧嘩は、そのルイが絡んでる。
女子にモテまくるルイを妬んだ他校の赤い頭の変な奴がルイを脅してきた。側にいた俺とそいつが喧嘩になった。
ルイはその子を別に好きじゃねぇのにとんだとばっちりと逆恨みだった。
まあ、俺はただのお節介なやつなんだけど。
けどさ。ルイはあんなにモテんのに、なぜか彼女作らねぇンだよナ。なんでか聞いたら、ライバルの俺にまだいないから、だって。
そこ、競うとこか?って言うかさ。
こう見えて俺は結構な照れ屋で奥手な方なんだ。
その点、この、女を意識しなくてすむ腐れ縁の梨紗子は気楽に話せていい。
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