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5 街の妖怪たち、四神の力、有名人
結局署まで同行した俺は、もう間に合わねえとヤケになって、全てをくまなく話すことにした。
そのせいか特に罪には問われず(まあなにもしなかったから当然か)、俺は数時間で釈放された(特に荷物チェックとかもなかったので、卵と梓さんは無事だ)。
「やっと終わったね……」
梓さんが胸ポケットから顔を出した。汗マークがイラストに描かれている。
「もうこれから予定ない?」
「まあな……今日面接しか予定なかったし……」
ぐぅ〜。
その時、俺の腹時計がぐうぐうとなった。
そういえば、朝の惣菜パン以外まだなにも食べてなかった……時計はもう2時だし……どっかいこうかな……
「なにか食べに行く?」顔に出てたのか、梓さんが言う。
「……2人分代金を払うのは嫌です」
「たーべたいな、たべたいなー かーえりたがりのたくみくんー おごりでいいからつれてってー」
聞いたことのあるようなメロディに合わせて梓さんが歌う。
しかし、俺は歌詞の中にこんなワードを見つけた。
「……『おごりでいい』っていったな? 男に二言はないぞ?」歌うときの口調のウザさとおごってもらえると聞いた喜びで、つい素が出る。
「うん……じゃあ、どこ行く? おすすめのラーメン屋あるよ?」
おすすめのラーメン屋って、ちょっと怪しいな。
まあでも、上京してから外食ほとんどしてないし……そもそも東京の地理あまり詳しくないな……
仕方がない、ここは梓さんの話を信用するか……
「……わかりました。ちなみに、どこにあるんですか?」
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