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お気に入りの
スニーカーがあって
今は廃盤だから
心のなかに忘れないスニーカー
なにか始めるたびに
なにかつまずくたびに
不意にあの
真新しい色合いと
真っ白な靴ひもが浮かぶ
その紐をときに解いて
結び直してみたりする
全てはイメージだ
でも確かな靴ひもの感触は
色褪せないでのこる
結び目をかたく きつく結んで
引っ張る指が痛いほどに
結びなおした日もあった
二度と同じ想いはしたくない
そんな苦々しい気持ちのときだ
つよく結びすぎて
心にまで何かを結んで
当然苦しくなって
緩めたいのに
痛むどこかに報いるように
誰かからみたら
独りよがりのものだった
ようやく気づいた
好きなものを
苦しいものにかえること
それが何かの代償じゃない
僕の心のスニーカーは
いつだって一緒に
走り出す1歩だった
しゃがんで下をむいて
心地よく結んだ結び目は柔らかく
駆け出したい気持ちを
誰よりも理解してくれる
お気に入りは
いつだって大切にしすぎて
軽い気持ちで使わないのに
代償にする時は
お気に入りこそ差し出す
そんなのは終わりだ
靴ひもを結んだ先に
誰かと繋がる未来がある
不確かならば
不協和音よりは
都合がいい音色をきこう
きっと今日の
踏み出した1歩は未来にむかう
立ち止まる日も
ちょっと後退する日も
秒針は動き続けていく
たまには
秒針の音をききながら
自分にしか見えない地図を広げて
最期に
僕らしい旅だったって
優しい微笑む未来を
望んでみたって悪くない
旅にでるときは
パーティに誰を誘おうか
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