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その日から、衣食住の保証と引き換えに、俺は自由を失った。
一晩では済まなかった。俺は男に囚われたのだ。
男の所有物であることを主張するかのように、首には枷をはめられ、この家から出してもらえなくなった。
男が帰宅してドアが開いた瞬間を狙い脱走を試みたが、無駄だった。おまけに男の警戒心と猜疑心をひどく煽ってしまったらしく、俺の居住スペースはリビングまでと限定された。
暴力を振るわれることがないのは救いだったが、俺と男の関係は歪だった。
生活を保証してもらいはするが、俺が男に特別な情を抱くことはなかった。それなのに男は、俺に異常なまでに執着した。
夜は、どんなに拒んでもしつこく抱かれ、ひどい時は朝まで解放されず、抱き潰されることもあった。
俺にはそれが、代価を求められているように思えてならなかった。
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