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男の異常性は、日増し白日のもとに晒されていった。
男はどうやら、俺を閉じ込めるだけでは飽き足らず、俺のすべてを手に入れたいらしい。
その一つの例として――、男は毎日、俺の抜け毛や爪の欠片に至るまでを集めた。
ローラー式の粘着シートに貼り付いた俺の毛を見つめ、それは満足そうに「こんなに取れた」と感嘆の息をつくのだ。
だがこれはまだマシな方だ。
あまり大っぴらには言えないが、俺は……排泄の場所まで定められている。
ここまで言えば、男の異常性は伝わるだろう。
やつは、俺がはばかりに立つ姿をちらりちらりと眺めては、今か今かと待っている。そして……袋にそれを集めて、厳重に口を縛るのだ。
さらに厳重に密閉された箱にしまって、せっせと溜め込んでいる様子を見るに、相当思い入れを持っているようだ。異常すぎる。
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