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気持ちが落ち着かない放課後の教室
待つには少し早い時間だけど
その間ゆっくり整えていよう
好きになった人をただ想って過ごす
胸が張る
胸が鳴る
胸が大きく駆り立てる
凍りついた言葉が
今になって溶けて和らいで
尖った角は丸みを帯び
当たってもチクリともしない
優しいものへと
変わる
とって代わる
遠近感がやけに強い
あなたのシルエットが扉の向こうから
現れたと同時に
陽だまりに温めておいたような
晴れ渡る匂いがした
それが高まるあまり
真っ直ぐで在りたいと夢を見る
見ていたあなたの方から
恋を告げられる
先に制された
ぐるぐる回る光の束が
散らばって
目に見える塵として浮かせ
万華鏡を思わせた
そこで
はっとする
気持ちが落ち着かない放課後の教室
あなたのいたずら
覗かれていたのは
ずっと僕の方だったんだ
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