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「康介、康介!」
「は?」
本気で大学を中退しようか考えながら、商店街で買い物をしていた。
そしたら良二に声をかけられた。
「あ、あのさ、スマホの反応ないし、どうしてた?
すんげえ心配してたんだぜ、それで、おまえの自宅まで行こうとしてた」
「それは......」
上手く言葉が出てこない。
「あ、雨、降ってきた」
言われて見上げると、商店街のアーケードの外は雨の腺が走っていた。
「なあ、本降りにならないうちに、康介の自宅で雨宿りさせてくれよ」
「え?いや、うちは......」
「誰かいるのか?」
「いるというか、いないというか」
「あー、もう、いいや、連れていってくれ、ゆっくり話したい」
「いや、雨宿りならアーケード内で」
「いやいやいや、ここでつかまえないと、なんかさ、終わりそうだ」
良二は良二で必死そうだった。
押しに押されて、僕たちはアパートへと走った。
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