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「帰宅すると『おかえり』って、言ってくるんだ」
「はあ?なに言ってんの?」
「そういう部屋なんだよ」
「そんなわけあるかよ!なに?心霊現象?」
「違うんだよ」
言い合っているあいだにも声は続く。
「おかえり!おかえり!」
「おまえ誰だ!」
良二が叫んだ。
「晴日、晴れた日って書いて『はるひ』だよ、四才」
「え......?」
声が「今夜の晩ご飯は何かな!」ではない言葉を発した。
「どこだ、どこに隠れてる?」
「ここだよ」
部屋の片隅が淡く光って、小さな男の子が出現した。
白いシャツに黒い半ズボンで裸足だった。
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