宝箱の中身

6/6
前へ
/6ページ
次へ
「ただいま」 懐かしくなってラブレターを読み返していると、午前出勤だった旦那が帰ってきた。 「何してるの?」 テーブルに広げられていた便箋に、旦那は不思議そうな顔をする。 「あなたが高校生の頃にくれたラブレター、読み返してたの。押入れの片付けしてたら出てきたんだぁ~」 「え、えぇ!? そ、そんなのまだ持ってたの? って、もしかして全部とってた? うわぁ……恥ずかしい」 真っ赤になって蹲る旦那の頭を撫でる。 「嬉しいよ? もらった時も今も、嬉しい」 「言っとくけど、今はそのころより好きだから」 耳まで真っ赤にして伝えてくれる旦那が愛おしい。 私は緩む方を抑えられないまま「知ってる。私も」と返した。
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加