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数十分して帰ってきた夕杏は、鞄の中から買ってきた白いフォトフレームを出した。
シンプルで飾りをつけるのにいい感じのものを選んできたようだ。
「貝殻出す前に、テーブルに新聞広げてね」
「はーい」
準備をしている間に、私は重い腰を持ち上げて引き出しから接着剤を探した。
「はい。じゃあいい感じに並べて貝を張り付けてくださーい」
「がんばるっ！」
いつものように気合を入れた夕杏は、短いツインテールを揺らしながらどこにどの貝殻を付けようか悩んでいた。
拾ってきたのは巻貝や二枚貝の貝殻。
割れていないものだけを集め、昨日のうちにきれいに洗っておいた。
小一時間悩んだ夕杏は、ようやく接着剤に手を伸ばした。
「他のものに付かないようにな」
「はーい！」
元気のいい返事をした夕杏は、慎重にフォトフレームに接着剤をつけ、その上に貝殻を乗せた。
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