第2話 適応力

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第2話 適応力

 声よ届け!!  動け、アタシ!!  頑張って、気持ちだけは奮い立たせているんだけどぉ!?  うんともすんとも動かないわ!?  やっぱり、意識はあっても……アタシはパン釜に転生しちゃったわけ!?  体が釜に埋まっているにしては苦しくもないし。 「ふふ。美味しくなぁれ」  のんきな女ね!  アタシはこんなにも頑張っているのに!!  相変わらず、頭あっちぃんだけど!?  焼けるんだけど!?  いいえ、女がさっき言ったのが本当なら……アタシで『食パン』を焼こうとしている?  食パンってどう焼くの??  昼夜逆転生活がルーティンのアタシが観るテレビ番組……限られていたのよねん?  動けないし、あっちぃけど死なないなら……って。  ちょっと……ちょーっと、興味持ったわん。  どのみち死んでいるなら……下手に慌てず状況把握よん!!  ラノベとかコミックでもあったじゃない?  冷静になれるんであれば……それが武器にもなるって。  目……は見えるのかしら?
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