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第3話 美味しいパンとは
「ふんふんふーん!」
いや、うさ耳……って言うより、獣人って言うのかしらん?
可愛いわねぇ? ふりふりが似合いそうだけど、作業着か何かで台無し。
けど……パンを焼くって言ってたんならわかるわ。
アタシ……『パン釜』で焼くんなら最適な服装だもの。
でも、パンってどう焼くのん? 相変わらずあっちぃけど……だんだん慣れてきたわん。サウナや岩盤浴でだんだん気持ち良くなるのと一緒よねぇ?
じゃなくて!
なーんで、ナンバーワンのゲイホステスだったアタシがこんな状況になってんのよ!?
美しいどころか、ただの『釜』!
人間どころか調理器具よぉ!?
なんで、オタクにとっては憧れの異世界転生が……目の前のかわい子ちゃんじゃなくて!! 無機物の釜よ!?
美の結晶とも謳われたアタシが!!
なんかしたの神様!?
たしかに……『男』としては、道を外したかもしれないわ。女は嫌いじゃないけど……恋愛対象に見れなかった。
今目の前で、アタシの中に型を入れようとしている獣人の女もそんな感じなのよねぇ?
「おいしーおいしーパンぅ!」
機嫌いいわねぇ?
アタシは悶々としてるのに!!
けど……パンねぇ。
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