ショートストーリー

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ショートストーリー

妻と離婚して数年が経った。 娘も産まれ一軒家も建てた。 ローンも繰上げ返済したくて がむしゃらに仕事をした。 休日には家族サービスだって 欠かした事は無かった。 それでも妻は出ていった。 理由も告げず、娘を連れて 何度、連絡しても、繋がらず 数ヶ月後、弁護士経由で離婚と養育費、 財産分与を請求された。 娘に逢えない事が気力を奪い 離婚に同意した 最後まで理由は わからなかった。 持ち家も売り払い、単身アパートを借りて ただ、養育費を払い続ける日々を過ごした。 朝、起きて仕事に向かい働き 夜、真っ暗な部屋に帰って寝る そこに、迎えてくれる言葉は無く 返す言葉もない ただ無意味に繰り返される日々 そんなある日、元妻から 一本の連絡 「再婚する事になりました。 養育費は、もう払い込まなくて、良いです。」 その一言だけ わずかに残された細い繋がりだった 養育費まで拒否された。 暗い部屋で1人崩れ落ちる男 絶望が胸を締め付ける。
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