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「貴方は私達の念願であり、希望であるカーマ教を追い詰め、解体させることに一役も二役も買ってくれた。それだけでも大変な恩義だと言うのに……貴方はハコまで救ってくれた……」
祖母は、目を強く萎め、唇を噛んで頭を下げる。
「本当に感謝しております。生きているうちにハコに再会できるなんて夢にも思いませんでした。本当にありがとう」
カギは、彼女の下げられた頭の旋毛が震えるのを見る。
酸素の流れる音と共に鼻を啜る音が聞こえる。
幼い頃、ハコの家に遊びに行く度に凛とした姿勢で自分たちを見下ろし、教師よりも強い、思わず謝りたくなるような圧を発していたハコの祖母の肩が小さく震えていた。
彼女もずっと痛みを感じていたのだ。
ハコがいなくなったのは自分のせいだ、と。
彼女もずっと望んでいたのだ。
ハコが帰ってくることを……。
それなのに……。
ハコの祖母は、顔を上げる。
そこには泣いた跡の欠片のみが残っていた。
「貴方のやったことは世間から見れば犯罪、しかし私達にとっては救済です」
ハコの祖母の目が強く細まる。
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