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「間質と呼ばれる部分が炎症を起こして固くなってるの。酸素を送ってもらわないと家の中すら移動できないわ。健康に留意してお酒も煙草も一度もやったことないのに……昨今謳われてる介護予防って何の意味があるのかしらね」
そう言って皮肉っぽく笑う。
「そうは言っても気を付けなさい。若いからって油断しちゃダメよ」
本当の祖母のような小言を言い出すハコの祖母にカギは「はあっ」と答えるも正直どうでもいい。
そんなことより気になるのは……。
カギは、ハコの祖母の後ろを見る。
ハコの祖母もそれに気づいて振り返る。
面会室の入り口のところでアニメキャラの描かれたレジャーシートを敷いて同じアニメキャラのぬいぐるみやブロックで遊んでいる女の子がいた。若い女の刑務官が女の子に付き合って一緒に遊んでくれている。
女の子と身長も体型も同じくらいの若い大人の女の刑務官が。
「ハコ……」
カギは、小さく呟き、唇を噛む。
女の子はハコだった。
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