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刑務所に入っていた時に知り合った元中華料理の職人に教わったレシピを参考に始めた。
定番のスープをたっぷり含んだモノから餃子のように焼いて羽のついたモノ、餡の代わりチーズや畑で取れたミニトマトを包んだモノ、そしてあんバター、チョコレートを包んだスイーツ小籠包などバリエーションも豊富だ。
ハコと一緒に暮らして三年間、悪戦苦闘の連続で始めた商売ではあったがようやく軌道に乗り、グルメサイトでも評価をもらえるようになった。
ハコは、車から降りると後部にまわって扉を開け、折り畳まれた背の高い丸テーブルを下ろし、慣れた手つきで展開して並べていく。
基本はテイクアウトなのだがその場で食べていきたい客もいるので立ち食い用に用意している。
ハコは、テーブルを三つ並べ終えるとその上に割り箸を入れた筒を置き、キッチンカーのカウンターに麦茶の入った給水機を「よいしょっ」と言って置き、紙コップをセットする。
キッチンカーを始めたばかりの頃は「お手伝いするぅ!」と言いながらも手を挟んだり、上手く出来なくて癇癪を起こしたりしてたのに今は何も言わなくても準備が出来ている。
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